IPCLとは

IPCLという、新しい視力矯正の選択肢

IPCLは、「有水晶体眼内レンズ」に分類される視力矯正レンズの一種です。
薄くてやわらかいレンズを、虹彩(黒目)と水晶体のあいだにそっと挿入し、見え方を最適化。
日常の多くの場面で眼鏡やコンタクトに頼らない視界へ導きます。これにより、近視・遠視・乱視・老眼などの見え方の問題を改善します。
レーザー手術と異なり、IPCLは角膜を削らず角膜の形状を変えません。
必要に応じてレンズを取り出すことも可能です。そのため、安心して選べる新しい視力矯正の方法です。

IPCLの特長

視界の特長

自然でクリアな毎日へ。見え方の質にこだわったIPCL

幅広い矯正力

IPCLは、中等度から高度の近視・遠視・乱視まで、幅広い屈折異常に対応しています。
従来のレーザー手術では対応が難しかったような強度の近視や乱視でも、IPCLなら矯正の選択肢として検討可能です。また、角膜の厚みの不足や形状によってレーシックやSMILEといったレーザー手術が受けられない方にも適しています。

特許取得済みの「トライフォーカル(3焦点)設計」(老眼対応モデル)

特許取得済みのトライフォーカル光学設計により、40歳以上の方にも遠方・中間・近方のいずれでも優れた視力を提供します。さらに、すべての光条件においてハローやグレアといった視覚的な妨げを最小限に抑えるよう設計されています。

長年の臨床実績

IPCLはすでに多くの国で導入されており、15年以上の研究と臨床実績があります。世界中の眼科医により使用され、その効果と安全性が認められています。また、IPCLは、欧州連合(EU)と日本をはじめ、世界40カ国以上で承認を取得しています。

ドライアイの心配が少ない

角膜神経への影響が少なく、術後のドライアイリスクが軽減されます。

素材の特徴

目にやさしい、高性能な素材設計

動物由来成分フリーの素材

動物由来の成分は一切含まない、安心の素材を使用。

信頼性の高い素材 ー 40年以上の実績

レンズの素材には、生体適合性の高いハイブリッド親水性アクリルを使用。40年以上にわたり眼内レンズに使われてきた、信頼性の高い素材です。

豊富な矯正範囲と多彩なサイズ展開&超薄型極薄レンズ

IPCLは現在市場で最も広い矯正度数のレンジを誇ります。
近視・遠視の度数(Power):+15D ~ -30D
乱視の度数(Cylinder):+0.50D ~ +10.00D
さらに、最も多彩なレンズサイズを展開。それぞれの目の大きさや形に合わせてカスタマイズ
13種類のレンズサイズ(11.00mm〜14.00mmまで0.25mm刻み)
この広い対応範囲により、多様な視力の悩みに応えることができます。
また、レンズ中心の厚さは、わずか90ミクロン。極薄のレンズです。

手術の特長

身体にも、将来にも負担のない安心な設計

角膜を削らず、レンズの取り外しが可能

レーザー手術(LASIKやSMILE)とは異なり、IPCL手術は角膜組織を削りません。万が一の場合はレンズを取り外すことも可能です。将来的な眼の変化や別の手術への移行も柔軟に対応できるという安心感があります。

手術は約20~30分、日帰り可能

手術はわずか20〜30分。2.4mmの小さな切開から挿入され、局所麻酔で日帰りが可能です。術後の回復も早く、忙しい方にも適しています。

安心の手術実績

IPCLは2017年の導入以来、世界40カ国以上で11万件以上の施術実績があります。
国際臨床試験でもその安全性と有効性が実証されています。

重要な安全情報

IPCLの挿入手術は、専用講習を修了した眼科医によって行われる、安全かつ有効性の高い手術です。
近視、遠視、乱視などの屈折異常の矯正に適しており、眼鏡やコンタクトレンズを使用せずに遠方視力の改善が期待できます。特定のモデルでは、老眼(近くの見えづらさ)の改善にも対応しています。

ただし、IPCL挿入は外科的処置であるため、副作用や重篤なリスクが伴う可能性があります。主な副作用およびリスク、その他の安全性情報については「IPCLの安全性について」をご確認ください。また、詳細な情報については、必ず担当の眼科医にご相談ください。

手術を検討する前に、担当医が目の検査を行い、IPCLが適しているかを確認します。また、IPCL手術の利点およびリスクについても事前に十分な説明が行われます。担当医から十分な説明を受けたうえで、ご自身が納得して手術を受けるかどうかをご判断いただけます。

なお、すべてのIPCLモデルは欧州CEマークを取得しており、世界各国で規制当局による承認を受けています。日本国内では、近視および乱視の矯正用IPCLモデルがPMDA(医薬品医療機器総合機構)の承認を受けていますが、遠視または老視矯正用のモデルは日本では承認されていません。

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